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2ヶ月半かけて九州百名山を車で巡った記録

定年後も顧問という形で週に数日だけ働かせてもらっている。息子夫婦と孫たちと同居していて、生活自体はにぎやかで楽しい。でも、ふと思う瞬間がある。「自分だけの時間で、自分だけのペースで動く旅をしたい」と。

そのきっかけになったのが、登山仲間から聞いた「九州百名山」という言葉だった。九州には、百を超える名峰が存在する。阿蘇、九重、霧島、祖母、英彦山……名前を並べるだけで胸が高鳴る。地図を広げて眺めているうちに、気づいたら旅の計画を立てていた。

期間は2ヶ月半。福岡空港で格安レンタカーを借りて、のんびり九州を一周する。68歳の、ちょっと贅沢な「山旅」の記録を、ここに残しておきたいと思う。

・九州百名山のリストをプリントアウトし、地図にマーキング
・登山ルートの難易度を事前に確認し、無理のないコースを選定
・宿は基本的に前日か当日にネット予約(自由度を最優先)
・車中泊グッズ(マット・寝袋・ランタン)も一式準備
・常備薬・膝サポーター・トレッキングポールは必携

福岡空港で格安レンタカーを利用

東京から飛行機で福岡空港に降り立ったのは、6月の初旬。梅雨入り前の、少し湿気を帯びた九州の空気が懐かしかった。若い頃に仕事で何度か来たことはあるが、観光目的で来るのはほぼ初めてに近い。

レンタカーはあらかじめネットで調べていた業務レンタカーを選んだ。2ヶ月半という長期レンタルになるので、日ごとの料金が抑えられるかどうかが最大の関心事だった。いくつかの会社を比較したが、業務レンタカーは免責保証が入っていても安く、ETC車載器が標準装備というサービスだった。れた追加費用が出てくるのを心配しなくていいのは、長期旅行者にとって本当にありがたい。

詳細はこちら・・・福岡空港 長期レンタカー 格安

業務レンタカーを選んだ理由

・ 長期レンタルに対応しており、料金が明瞭
・免責保証をつけるかどうかはこちらが選べる
・福岡空港からのアクセスが良い
・ 軽自動車から普通車まで選べる車種が豊富
・ 返却時間の相談にも柔軟に対応してくれた

手続きを終えて車に乗り込んだ瞬間、「さあ、始まるな」という高揚感がじわりと湧いてきた。スマホに最初の目的地をセットする。行き先は、福岡県の北部に位置する「英彦山(ひこさん)」。九州百名山の中でも歴史ある修験の山として知られている。

第一章|福岡・大分エリア(1〜3週目)

英彦山・福智山・犬ヶ岳

英彦山は標高1,199メートル。中腹まで車道が整備されていて、68歳の私にもアクセスしやすかった。参道に並ぶ石灯籠が見事で、山頂からは遠くに玄界灘が見えた。「この旅はいい旅になる」と確信した最初の山だ。

その後、福智山(900m)、犬ヶ岳(1,131m)と周辺の山々を丁寧に回った。どれも登山口まで車でアクセスでき、日帰りで十分楽しめる。山ごとに表情が違い、同じ「九州の山」でも個性がはっきりしていることが面白かった。

大分・九重連山へ

大分に入ると、一気にスケールが大きくなる。九重連山は、久住山(1,787m)を主峰とする火山群で、広大な草原と火口湖が織りなす景観は圧巻だった。

・ 牧ノ戸峠からのルートは整備されており歩きやすい
・山頂付近の「御池」の青さは言葉を失うほど美しい
・早朝の登山開始で、雲海を眼下に見ながらの稜線歩きを体験

九重では2泊3日かけてじっくり歩いた。宿は地元の温泉民宿を利用し、夜は地の料理と湯に疲れを流した。登山と温泉の組み合わせが、これほど贅沢だとは知らなかった。

第二章|熊本・宮崎エリア(4〜7週目)

阿蘇山・祖母山・市房山

熊本に入って最初に向かったのは阿蘇山だ。中岳の火口周辺は活動状況によって立入規制が変わるため、事前に気象庁のサイトで確認してから向かった。規制のない日に恵まれ、カルデラの内側からあの巨大な山体を眺めることができた。

阿蘇を後にして、宮崎との県境にある祖母山(1,756m)へ。ここは登山道の一部が急峻で、さすがに膝への負担を感じた。それでもゆっくり時間をかけて登り切ったときの達成感は格別で、山頂で食べた手製のおにぎりが何よりもおいしかった。

このエリアでの反省点

・山小屋・駐車場の事前確認を怠り、満車で困った日があった
・宮崎の山道は幅が狭い場所も多く、慎重な運転が必要
・天候の急変に備えた防水装備の重要性を改めて実感

旅の途中でこういった「反省点」が出てくることも、長旅の醍醐味だと今は思っている。次に同じ山域を訪れる人への引き継ぎのつもりで書いておく。

第三章|鹿児島・長崎・佐賀エリア(8〜10週目)

霧島山系・韓国岳

鹿児島に入ると、霧島の山々が待っていた。最高峰の韓国岳(1,700m)は、えびの高原からのルートが歩きやすく、噴煙を上げる硫黄山を間近に眺めながら歩く体験は唯一無二だった。

霧島温泉も存分に楽しんだ。この旅で初めて「湯治気分」という感覚を理解した気がする。温泉に浸かりながら、翌日の登山計画を立てる。そういうゆったりとした時間の流れが、旅の後半になるほど心地よくなっていった。

長崎・佐賀の低山めぐり

長崎・佐賀エリアは、標高こそ他のエリアに劣るものの、独特の歴史と景観が魅力だった。

・多良岳(996m):有明海を見下ろす展望が素晴らしい
・経ヶ岳(1,075m):長崎県最高峰、静かで奥深いルート
・天山(1,046m):山頂近くまで車道があり身軽に登れる

この頃になると、旅のリズムが完全に体に刻まれていた。朝は早めに起きて登山口へ向かい、昼過ぎには下山して温泉か道の駅で休む。夕方に翌日の宿を手配して、地元のスーパーで総菜を買う。シンプルだが、この繰り返しが本当に豊かだった。

2ヶ月半の旅を終えて感じたこと

福岡空港を出発して75日。九州を一周し、九州百名山のうち43座を踏破することができた。全山制覇とはいかなかったが、それでいいと思っている。「次に来る理由」が残った。

この旅で何より印象に残っているのは、山の数や記録よりも「道中で出会った人たち」だ。登山口で声をかけてくれた地元のおじいさん、峠の茶屋のおばちゃん、相乗りで山頂まで送ってくれた登山者。九州の人々の温かさは、文章にするとありきたりになってしまうが、それが一番の旅の宝だった。

この旅を振り返っての総括ポイント

・68歳でも無理のない計画を立てれば長期山旅は十分可能
・格安レンタカーの活用で移動の自由度が格段に上がる
・宿の事前予約よりも「当日・前日予約」の柔軟スタイルが旅に合っていた
・ 九州百名山は難易度の幅が広く、体力に応じて選べるのが魅力
・ 温泉と登山のセットは中高年の旅行スタイルとして最高の組み合わせ
・ 孫への「お土産話」が増えて、同居の家族関係もより豊かになった

今回の旅行のまとめ

福岡空港に車を返却した日、走行距離計を見てしばらく動けなかった。数字が、この旅のすべてを物語っていた。

東京に戻って費用を整理してみると、業務レンタカーの長期料金は当初の想定よりもずいぶん抑えられていた。日割りで換算すれば、短期レンタルをつなぎ合わせるよりはるかに割安で、しかも免責補償込みの明瞭な料金だったから、旅の途中で「ここまでいくらかかったか」を頭の中でざっくり把握できた。お金の不安がないというのは、旅の質に直結する。

車そのものへの感謝も大きい。九州の山道は、想像以上にタフだった。英彦山の杉林の中を縫う細い林道、九重の溶岩が露出した砂利道、霧島の硫黄臭が漂う峠道。それでもあの車は一度も音を上げなかった。山を登るのは私で、麓で待っていてくれるのがあの車だった。そういう関係が、2ヶ月半続いた。

振り返れば、この旅で得たものは「43座の踏破記録」だけではない。九州の山々の奥深さ、道中で出会った人々の温かさ、そして「ひとりで動く」ことの清々しさ。同居している息子夫婦には「元気すぎる」と笑われたが、孫たちへのお土産話は尽きなかった。

68歳で2ヶ月半の山旅ができたのは、綿密な計画よりも「無理をしない自由」があったからだと思う。宿も、ルートも、翌日の予定も、すべてその日の体調と天候で変えられた。その自由を支えていたのが、乗り捨てや変更にも柔軟に対応してくれた業務レンタカーの存在だった。

残りは57座。体が動くうちに再び。